機能性表示食品の届出は60日前までにすること

事業者側が機能性表示食品の届出をして販売を目指す場合、60日というキーワードに注目することが大切です。では事業者側にとって、60日という数字は何を意味しているのでしょうか。実際に機能性表示食品の発売を目指すまでの流れも含めて考えてみましょう。

また機能性表示食品におけるポイントも押さえながら流れを押さえておくことも必要です。

60日というキーワード

機能性表示食品における60日というキーワードは、どのような意味を持っているのでしょうか。60日というのは、機能性表示食品を販売する60日前までに、届出書や関連書類を不備なく消費者庁長官に届け出る必要があるという意味です。

販売開始予定日の60日前に届出を行ったとしても、記入漏れなどの不備があったら、届出書は返送されてしまいます。返送されて再提出が必要になったら、二度手間になるだけではなく、販売開始予定日を遅らせる必要も出てきます。

スムーズに販売開始まで持っていきたいなら、販売を予定する60日前ちょうどに届け出るのではなく、余裕を持って行動することが大切です。60日というのはあくまで目安の数字であって、60日前ちょうどに届け出るという意味ではないことを理解しておきましょう。

最初に対象となるか確認しよう

機能性表示食品の届出をしたいと考えている場合、どのような準備が必要になるのでしょうか。最初に確認するべき点の1つが、機能性表示食品の対象食品になっているのかという点です。例えば機能性関与成分が明確でない食品、機能性関与成分が食事摂取基準に基準が定められた栄養素である食品などは対象食品になりません。

ほかにもアルコールを含有する飲料など、機能性表示食品の表示ができない食品の種類もいくつかあります。事業者側が機能性表示食品を開発したいと考えているなら、本格的な開発が始まる前に、機能性表示食品の対象食品にはどのようなものが該当するのか調べておくことが大切です。

機能性表示食品の対象食品だとわかっているものの研究や開発を始めて、表示の届出をするための準備を進めていきましょう。

安全性の根拠を示すこと

機能性表示食品では、事業者側が販売したい商品の安全性の根拠を示す必要があります。安全性を評価する方法には、最終製品若しくは機能性関与成分における安全性試験の実施や喫食実績による食経験の評価などの方法があげられます。

複数の方法の中から、状況にあった形で安全性を評価し、根拠を明確にすることが販売を目指す道のりに必要なポイントです。また機能性関与成分については、相互作用に関する評価も必要です。もしも相互作用がある場合には、販売するうえで問題がないか科学的に説明できる環境を整える必要があります。

管理体制を整えることも必要

機能性表示食品の届出をする前に、生産や製造及び品質の管理体制を整える必要があります。安全性が確保できる体制が整っていないと、機能性表示食品の届出をしても不備があるとみなされてしまいます。例えば製造施設や従業員の衛生管理などの体制、さらには生鮮食品の精査や採取時の衛生管理体制が整っているのかなどのポイントを説明できる状態にしましょう。

また機能性関与成分が十分に含まれているのか、食品分析をする方法なども示し、管理体制に問題がないことを説明することも機能性表示食品の届出には必要です。管理体制を整えるために、HACCPやGMPなどに取り組むという方法もあります。

さまざまな安全基準が定められているHACCPに取り組んでいくことで、届出時に管理体制に問題ないと判断されやすくなります。

情報収集が可能な環境を整えよう

機能性表示食品を販売したい事業者は、商品に関する情報収集を行って報告をする体制を整備することが求められます。これは健康被害の発生を防ぐ、何らかの問題が起きた時でも拡大を防ぐために求められている内容です。

例えば消費者や医療従事者から健康被害の報告があったとき、きちんと受け止めて対処できる環境を整える必要があります。また消費者が商品について調べたいときも、情報集が行えるようにデータを開示する環境を整えることも大切です。

機能性の根拠を示すこと

機能性表示食品は、身体に嬉しい効果が期待できる何らかの機能性を持っている食品のことを指します。そして商品がどのような機能性を持っているかは、事業者側が科学的根拠を示すことになります。最終製品を用いた臨床試験や、最終製品若しくは機能性関与成分に関する研究レビューなどの方法で、どのような機能があるのか科学的根拠を示せるようにしましょう。

1つ注意が必要なのが、科学的根拠を示す十分な研究レビューを得るためには、ある程度の時間がかかります。発売開始予定日が近づいてから研究を始めると、予定日通りに発売するのが難しくなるかもしれません。早めに研究の準備を始めて、必要なデータをとれるようにしましょう。

必要な書類を揃えてから届け出よう

機能性表示食品の届出のためには、届出書のほかに表示内容や安全性及び機能性の根拠を示す書類など、さまざまな必要書類があります。書類を販売の60日前までには提出して無事に受理されれば、機能性表示食品と表示して販売できる仕組みになります。

届出番号を受領した後は、パッケージに記載する内容に問題がないか確認して、販売のための準備を開始しましょう。ちなみに販売予定日の60日前に届出を出したとしても、届出番号を受け取ってから、パッケージの印刷などの準備を行っていると、届出から60日で販売を目指すのは難しいことです。

届出番号の受領までに60日近くかかるという点を考慮したうえで、販売予定日を決めて準備を進めることが大切です。

届出がゴールではない

機能性表示食品は、届出が受理されて製品の販売が開始できたら、気をつけるべき点は終わりというイメージを持っている方もいます。しかし販売開始した後も、品質管理や健康被害などの問題が起きていないかしっかり確認することが、機能性表示食品の事業者に求められている内容です。

定期的に管理体制などをチェックし、品質を保った機能性表示食品を安全に販売できるようにしましょう。

機能性表示食品の届出のポイント

機能性表示食品の届出は、販売開始予定日の60日前に行う必要があります。届出書のほかに、安全性や機能性の科学的根拠を示す書類などが必要になるので、機能性表示食品に必要なポイントを押さえて書類の準備を進めましょう。

また科学的根拠を示すデータ収集や、届出が受理された後に届出番号を記載したパッケージの印刷などには時間がかかるので注意が必要です。